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2024.05.29

フクシマ「脱メタボ県」をめざして :掲載CJ Monmo 6月号

フクシマ「脱メタボ県」をめざして

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。初期の段階では特に痛みなどもないため、放置してしまう人も多いようですが、それはとても危険なことです。

特定健診でメタボリック症候群に該当した福島県民の割合(メタボ率)は2021年度に19.2%で、都道府県別で全国ワースト4位と低迷しており、全国平均との格差は拡大しています(図1)。本県のメタボ率の増加は、東日本大震災と原発事故の影響で屋外活動が制限されたことや避難生活など環境の変化に伴う食習慣の乱れなどが影響したとみられています。

2022年に福島県が行った「県食行動実態把握調査」によると、60歳未満の働き盛り世代の県民のうち、肥満に該当する人の食習慣の特徴として「食べる速度が速い」「満腹になるまで食べる」「ラーメンや麺類の汁を全部飲む」などが明らかとなり、メタボ率悪化の一因と考えられています。(図2)。この結果、がん や脳血管疾患、心疾患などの生活習慣病による死亡率が全国ワーストクラスという厳しい状況となり、早急なメタボ対策が福島県の課題となっています。私たち一人一人が健康的な生活習慣を意識して、行動することが大切です。