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2025.01.16

教えてドクターQ&A:健診でHbA1cが6.3% 掲載 福島民報

Q:健診でHbA1cが6.3%と高く、糖尿病の疑いがあるといわれました。空腹時血糖は正常なのにどうしてでしょうか?

A:「血糖値スパイク」の疑いがあるからです。HbA1cは過去1~2ヵ月間の平均血糖値をあらわす指標で、HbA1c 6.2%未満を基準としています。HbA1cでは、血糖値の上がり下がりといった変動までは把握でないので、空腹時血糖値が正常でもHbA1cが高いということは、食後の高血糖が潜んでいる事を示しています。食後の血糖値が急上昇と急降下を起こす状態を「血糖値スパイク」といいます。この血糖値スパイク、健康診断で測る空腹時血糖値の数値には現れないためなかなか発見されず、見逃されやすいのです。食後高血糖にもかかわらず通常の健診では発見されないケースを「隠れ糖尿病」といいます。血糖値の乱高下は血管にダメージを与えて、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中による突然死のリスクが高くなると考えられています。血糖値スパイクを避ける上で大事になるのが「食事」と「運動」です。よく噛んでゆっくり食べる、野菜から食べる、朝食を抜かない、炭水化物の重ね食いを避ける、食後1~2時間後に運動するなど、工夫した食事や適度な運動が大切です。